2018年 01月 06日
瀬戸内の旅 尾道編 2 |
千光寺から坂を下り、猫の小径を下った。この道はとても
細く、曲がりくねっていた。ところどころに、ねこカフェ
とか猫の道博物館とか、いろいろなネーミングをした家が
出てくるが、それがどちらも古すぎていた。やや気味悪い。
古民家でも清潔感があればいいが、ペンキが剥げていたり、
トイが落ちかけていたりすれば、もう人を呼んで商売する
場所ではない。それに落ち葉がすごく、掃除した感がない。
どんな方が住んでいるのかと思われ、女の子達も立ち寄ろ
うとはしていなかった。
こういう場所で商売しようとするなら、一般の人の目線で
見直したほうがいいと思う。
三重の塔が見えた。
これは天寧寺さんの三重の塔で、創建時は五重の塔であったら
しい。この写真のように、ここから屋根越しに尾道の海が見え
る。
まことに穏やかないい風景である。古くから多くの文学作品に
取り入れられているそうだ。
天寧寺はこの少し下に本堂や五百羅漢堂などがある。曹洞宗の
お寺でかなり古いらしい。
尾道はこうしたお寺が横に十いくつかもあり、それらを歩くコ
ースが角々に案内されている。
天寧寺本堂
五百羅漢さま
この五百羅漢様と一緒に座禅の修行をする案内がされていた。
曹洞宗は修行をして仏道を成ぜんとする宗派で、さきの千光
寺さんのように、テーマパーク化はしない。
家内安全、商売繁盛、良縁祈願などといったお札やお守り販
売に走ったりしない。
ご自由にお参り下さいとあり、引き戸は閉じてあった。
私は開けて入れるけど、女の子たちは帰ってしまった。
ミーハーなアベックや観光客を寄せ付けない方がいいのか、
パワースポットがありますよと、彼らを呼んで儲けつつ、な
にかしら興味を持ってもらうほうがいいのか、どうなの。
べつに、お寺見学だけに尾道に来たんじゃないので、私は海
べに出ようと坂を下りて行った。
山陽本線の線路の下をくぐった。
こういうアンダーパスは初めてだ。
尾道港に出た。
向島とつなぐフェリーが出て行った。
日本一短いフェリー航路だそうだ。距離は100m。
向こうにはしまなみ海道となる新尾道大橋が見えた。
商店街のアーケードを通り、尾道駅に出た。
これで、尾道観光はオシマイ。
ウーン。
倉敷に向かう。時刻は午後4時すぎ。
倉敷、4時45分。
ホテルに直行。
かなり歩いたので、美観地区見学は行くとしても明日にした。
風呂に入り、考えた。明日は元旦。倉敷のみどころは美観地
区。名前のとおり、美観らしい。ということは、なまこ造り
の白壁が並び、柳の木のしたのお堀が美しい・・・だけ。
つまらない。
大原美術館の本館だけ開くそうですよ。
ゴッホもピカソもあるって。
マドリッドの近代美術館でたっぷり見たしな。
だいたい、絵画はよく分からんし。ひまわりの絵を見て、そ
れで何を感じたらいいのか。スゴイねーって感動も別に受け
ないから。よく、朝焼けの富士の赤がすごいですねーって言
う専門家がいるけど、登山しているときの朝焼けのほうがも
っとスゴイから・・・。
倉敷ってのは女の子の街だろ。
なんか、ソフトクリームとか生キャラメルとか、パスタやら
なんとかスイーツのお店とか?あとはジーンズの日本での発
祥の地らしい。
男が行くところではない。
ていうか、別に見るもんがないんだよね。
明日は丸亀に直行して、あちらで時間を使おう。
ということで、ホテルのそばの郷土料理の店という、白壁と
いう料理屋で飲んだ。
料理はさっと出てきて、どれもうまい。
お店はスタッフがたくさんいてキビキビしている。
申し分がないが、カウンターの向こうで包丁を握る板前の
一人が気になる。
二枚目で、恰好がいい。しかし、若い衆や女子衆(おなご
し)にかける言葉使いが客前のものとはいえない。
また、彼らの彼に対する態度はヘリ下り過ぎだ。
オーナーの息子かなにかか?
そこに電話がかかってきた。若い衆がケイタイを持ってき
て、〇〇さんからお電話ですと言った。
彼はちょっといやな顔をして、出た。
職場にまでかけてきて迷惑なのだが、かと言って上得意さ
んのお嬢さんかなんかで、断るワケにもいかない。
適当にあしらって電話を切った。
あるいは、付き合って5年、そろそろトウが立ってきた年
増芸者のねエさんであったかも知れない。
ま、そういうこともあったが、酒はウマイ。
岡山の地酒を飲んでみると、竹林というのが一番であった。
竹林かろやかという酒だ。
数年前、福山の五十嵐さんのお店で飲んだ天寶(宝)一という
お酒に匹敵する。
じつに爽やか、かろやかである。
値段?
値段なんか聞いちゃいけない。大晦日だから。
たしか、80ミリグラスで700円か。1合1600円。
ウワッ、たけい!!
それはそれとして、お会計を頼み、カウンターから出ようと
して驚いた。
かの二枚目板前が握った寿司の皿を若い衆が持っていこうと
したら、注文のスリップがマグロの赤身の握りにびったり張
り付いていた。若い衆はそおーッと剥がしていったが、私は
そんな寿司なら食べたくない。
あいつのやりそうなこった。
こうして尾道・倉敷の旅は終わった。ここはどうもあれだね。
文学とか絵画に明るくなくてはダメだね。そういう人には面
白い場所かも知れない。
私などはそういうのに暗くて、句らしきものはできなかった。
句らしき・・・あ、倉敷。
by katodiary
| 2018-01-06 11:12
| 旅に出よう
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