2017年 10月 19日
Happy Halloween |
ハロウインが近づいてきた。
ウィズの飾りつけ(一応やってます)
元はアイルランドなどに住みついたケルトの人々の一種の
お盆であった。先祖の魂が帰ってくるわけだ。
だからキリスト教とは無関係。
しかし、世界に移住した貧しかったアイリッシュ達は、そ
れぞれに民族的な伝統文化を楽しんだのだろう。
アイルランドには日本同様に八百万(やおよろず)の神々
がいる。司馬遼太郎のアイルランド紀行を読むと、旅行中
「妖精注意」の道路標識を見たという。
日本の川にカッパが出ます、水遊び注意・・・と同じであ
る。
ケルトの人々はギリシャ・ローマの文明から森深くに追い
やられ、世界の辺境へと逃げて行った。日本でいえばアイ
ヌ民族が日本全国から関東へ、東北へ、そして北海道にと
逃げたのに似ている。
アイヌの間では熊は神のひとつである。
ローマの皇帝ジュリアス・シーザーはフランス地方に跋
扈していたガリア人を征服した。この記録がガリア戦記
で、ガリアの言語や文化、戦の道具や戦法など細かに残
している。このガリア人の言語、ゲール語はいまもウエ
ールズやアイルランドなどで話されている。
ガリア人たちはフランスで文明化され、フランス人とな
っていった。
そうした文明化から逃れたケルトの人々は一部はブリテン
島へ。しかしイングランドも文明化される中でスコットラ
ンドやウエールズに、またアイルランドに。
文明化とはローマキリスト教(カソリック)の支配という
ことである。
アイルランドでは4世紀にはパトリック司祭が誕生してい
る。彼は土地の人物であったが、ローマでまなび、ドルイ
ド教の八百万の神や妖精を信仰することも認めたうえで、
それらをまとめる我が父イエス・キリストと持ち込んだの
だった。
セント・パトリックデーはアイルランドの人々の間で今も
盛大に祝われている。3月17日がそれで、アイルランド
共和国の祝日であるが、世界に散ったアイルランドの人々
が祝う。
アイルランド共和国の人口は400万人余りだが、世界に
はなんと5千万人ともいるといわれ、その内4千万がアメ
リカ人となっている。新世界アメリカに夢を求めて祖国を
脱出した人々の中に、ケネディ大統領の祖父もいる。
彼は銀行家となり成功を収めたが、多くは警察官やら、ト
ラックの運転手やら現場で働く労働者となった。
アメリカの建国を支えてきたわけだ。
新教がヨーロッパを戦争に巻き込み、ドイツ、オランダ、
イギリス、北欧で勝利し、科学全般あるいは商工業と経済
の発達を促して、中世から近世にと時代は移っていった。
イギリス王が強大な力でアイルランドを抑えたのは14世
紀頃だが、新教を国教とすると、それも押し付け、カソリ
リックの教会に対しては多額の税金を納めさせた。人々は
痩せた土地にジャガイモを植え付け、飢えをしのぎながら
信仰を守った。
しかし、凶作の年などには新大陸へと移住する人々が絶え
なかった。
アイルランドが英国のくびきを逃れたのは、第二次大戦が
終わった1945年であった。
アイヌもそうだが、沖縄もつい江戸時代までは琉球王国で
あり、ひとつの民族であった。
いま、スペインではカタルーニャ地方が独立を求めている。
その前はバスク地方が独立を求めて銃を取った。
民族はひとつの言語、文字、歌、料理、衣服、習慣と文化、
そして、こころを共にする人々である。
それを理解し、尊重し、他の民族が力で押さえつけること
があってはならない。
多様な文化を認めるというのが、文明というものでありたい
ものだ。
by katodiary
| 2017-10-19 10:24
| うつつの中で
|
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